石油給湯器(灯油式のボイラー)とは
給湯器はお湯を温めるためにバーナーを使って熱を作ります。そのバーナーを燃やす燃料として、灯油を使っているものが石油給湯器となります。
石油給湯器の特徴
石油給湯器はパワフルな給湯能力をもっているので、お湯をたっぷり使いたい時は石油式が良いでしょう。主に外気温が低く給湯時にパワーが必要な寒冷地ではお湯もたくさん使うため石油給湯器との相性が良いです。
オイルタンクが必要
石油給湯器の燃料である灯油は、都市ガスのように常に供給されているわけではないため、あらかじめ建物の外または屋内に専用のオイルタンク設置しておきます。灯油が切れないように定期的にタンクの中にためておきます。オイルタンクの大きさは、各家庭での使用量に合わせて選びますが、タンクの容量が200Lを超える場合は消防法による規制を受けます。また各市町村の規定に従い、所轄の消防署に確認して設置しましょう。また200L未満(北海道は500L未満)の場合、消防署への届け出は不要ですが、一度消防署へお問い合わせください。
直圧式・貯湯式って何が違うの?
ボイラー(石油給湯器)は、直圧式・貯湯式の2種類に分けることが出来ます。直圧式・貯湯式それぞれに特徴があり、お湯の使い方によっては合う合わないがあるため、安易に「どちらでも良いや~」と選ぶようなことがあれば、あとあとで後悔するかもしれません。
そこで直圧式・貯湯式についてしっかり学び、どちらが合うか考えてみましょう。
直圧式は水圧が高く安定した温度でお湯が出せる
まず、直圧式ボイラーは最もポピュラーなタイプで、ボイラーの中で言えば圧倒的なシェアを占めています。最大の特徴は、お湯を使用するとき水道の水圧そのままでお湯を瞬間的に沸かしますので、水圧が強くパワフルな給湯が出来ます。シャワーの水圧は高いほうがいい、ジャブジャブお湯を使いたいなら直圧式。
また、40℃、45℃、というように正確な温度のお湯を出せるという事も直圧式の特長です。壁掛けタイプもあるのでスペースを摂らないという事も直圧式の魅力です。
貯湯式は配管が弱い場合でも設置できる
一方これに対して貯湯式ボイラーは、お湯を作って給湯器の中のタンクにためておくというタイプとなります。地下水を使用している家庭の80~90%が、貯湯式タイプを使用しています。これは、直圧式だと配管に穴が開いて漏水してしまうからで、熱交換器がステンで作られていることから腐食に強いというのが貯湯式の特徴です。
ただし、温度を細かく設定できないうえに結構な作動音がするので、神経質な人には向いていません。また直圧式と比較すると燃費も少し悪いので、コストパフォーマンスという点でも見劣りします。このために、地下水をふんだんに使えるという環境にない場合は、直圧式を選択するのが無難という事になります。
ガスと石油どっちがお得?
給湯器は燃料が何かによって商品が異なるため、寒冷地やガスが通っていない環境でないなら、ガス給湯器か石油給湯器かどっちを選べばいいか迷ってしまいます。そこで両方の違いについて説明していきましょう。
設置費用ではどちらがお得?
ガス式と灯油式、双方は初期費用に大きな違いがあります。※ガス管などの設備は考慮せず。
たとえばガス給湯器は寒冷地域以外ではよく使用されていますので、販売価格が3万円~10万円ぐらいのお得な商品が豊富です。耐用年数は約10年です。灯油を使用した石油給湯器の場合、貯湯式が安いですがシェア率の高い直圧式が8万円~と少し高めです。耐用年数は約10年です。また別で灯油をためるオイルタンクを設置します。オイルタンクの設置場所は丈夫な基礎が必要となりますので、新規設置費用はガス給湯器がお得となるでしょう。
石油給湯器はランニングコストが良い
設置費用は少々高くなるものの、ランニングコスト(使用して行く中でかかる費用)は石油給湯器がお得です。
例えば家族4人暮らしで、1年間のガス給湯器の光熱費は¥63,900、LPガスなら¥94,600、石油給湯器の光熱費は¥45,100となります。
同じ量のお湯を作るとしても灯油のほうが燃費が良いため、十分な設置スペースがあり、より多くお湯を使う場合や寒冷地では石油給湯器がお得となります。
ただし、ガス給湯器にも省エネ能力の高いエコジョーズがあります。エコジョーズを使用した場合、ガス会社のお得な料金プランが利用できる場合があるので比較検討してみてください。また10年ごとに交換する、ということも考えて、石油給湯器・ガス給湯器どちらが合うか考えましょう。